ザ・ハリケーン
2007-10-17(Wed)

監督:ノマン・ジュイソン
製作:1999年 アメリカ
出演:*デンゼル・ワシントン *ロッド・スタイガー *レオン・シャノン
真実は、負けるはずがない。
ネタバレあります
タイトルがハリケーンだからって、
異常気象のパニック映画じゃないです。
勘違いされやすくて、損している気がするなあ。
実在のボクサー、ルービン・カーター(デンゼル・ワシントン)
のリングネームが“ハリケーン”なんです。
実話の重みがすごく感じられた作品でした。
冤罪で30年も投獄されたボクサーが、
無実を証明し、自由を勝ち取るまでの物語です。
それはもう、壮絶な長い道のりでしたよ。
希望と絶望の繰り返しです。
本当の絶望って、私が感じているようなものより、
もっともっと悲壮感溢れ残酷で苦しいものなんだなあと、
胸を締め付けられる思いで観ました。
だけど、ほんの小さな希望の光が先に見えてくるだけで、
人間は生きる力を与えられるんですね。
カーターが獄中で書いた本を、
たまたま読んで感銘を受けた黒人少年との出会いがあり、
心温かいボランティアグループの人たちの尽力があり、
カーターは生きる望みをかけて闘っていきます。
このカナダのボランティアグループが、どうして他人のために、
あそこまで心を尽くして働きかけてくれたのか、
その背景が詳しく描かれていないので、
出来すぎた話のように見える難点があるんですが、、
外国では、ボランティアの精神が、
本当に純粋で半端じゃないのかもしれませんね。
人との出会いが、人生を大きく変えていくものだと、
つくづく思いましたよ。
デンゼル・Wの抑制した演技は最高でした!!
デンゼルの作品の中で、これが一番好きなくらいです。
これで、オスカーを獲ってほしかったなあ~~!
ボクサー役なので、鍛え抜かれた身体を作り上げるのも
大変な努力が必要だったでしょうねえ。
若い時のカーター、
年をとった時のカーター、
希望に胸を膨らませているカーター、
あるいは絶望の深淵を見るカーター、
いろんな状態を見事に演じ分けていたし、
心の葛藤も伝わってきて、役者魂を感じました!
途中で、カーターを応援していた、
ボブ・ディランやモハメッド・アリの実映像が入っているのが、
この作品を、よりリアルにしていました。
感動に胸が震えました。