Rocking Chair Blog

旧作を中心とした映画のブログです たまに音楽の話題もあります

Entries

ある子供

子供


監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ リュック・ダルデンヌ
製作:2005年 ベルギー・フランス
出演:*ジェレミー・レニエ *デボラ・フラソワ *オリヴィエ・グルメ

痛みを知ること、やさしくなること。

この映画、音楽が全くない事や、
セリフが少なくて、一つの状態を長く撮っているところなど、
「息子のまなざし」に似ているなあと思っていたら、
やっぱり監督が同じダルデンヌ兄弟でした。

「息子のまなざし」はすごく印象的でよく覚えているから、
2度目となる今作では、個性的手法に驚く事はなかったです。

この作品は、主人公の20才の男ブリュノ(ジェレミー・レニエ)の
未熟さ加減を、ひたすら追っていきます。

18才のソニア(デボラ・フランソワ)との間に赤ちゃんが生まれても
父親の自覚なんてまるでなく、
その日暮らしの荒んだ生活をしています。

ソニアも若いしひどく幼稚で、二人がじゃれ合う姿は小学生並み。
子供が子供を産んじゃったわけですね。あ〜あ。。。

次から次へと無思慮な行動をとり、とことんダメぶりを見せてくれる。
食べていくためにやる事は、
盗品を売ったり、ひったくりをする事。
赤ちゃんですら、盗品と同じような扱いをするんですよ。

最初のうちは、『何やってるの』って腹が立ちましたよ!
そのうち、あまりに愚かで、だんだん悲しくなってきた。。。
こんなんでどうするの、コイツは・・・と哀れを感じたわ。

産んだ女性は、子供を自分の分身のように思えるから、
まだ大切にしようとする気持ちが芽生えやすいでしょう。

だけど、男性にとっては父性というのは、
子供と触れ合っていかないとなかなか感じる事はできません。
おむつを換えるとか、ミルクを飲ませるとか、
あやして笑わせるとか、そんな中から徐々に生まれるのでは?

そういう事をしないブリュノにとって、
赤ちゃんは命ある者という感覚がありません。

でも、根っからのワルじゃないって事は見ていて分かるんですよ。
少年が寒いと言えば、足をさすってやったりする男なの。

どうしてあそこまで浅はかなのか?
それは、本当に無知だから。
周りに、彼らを導いてやる大人、お手本になる大人が、
一人もいないんですよ!


学んで成長する機会や場所から転げ落ちたまま、
置き去りにされちゃってる。

この作品は、こういう大人になれない子供、
恐いほど無思慮なまま生きている子供が、
増えてきている現実を切り取って見せてくれています。


気になるのは、やっぱりラスト。またバシッと幕を下ろされたなあ。
何か言いなさいよ!

ブリュノは一度も「すまない」って謝ってないのだ。
もし、この一言が聞けたら、
彼らは失敗を反省し、多少成長したと希望が持てるでしょう。

でも、私には『刑務所イヤだよう』くらいしか
言いそうにないように思えます。
大人になるのに、1cm程しか前進していない気がします。

私がえらそうな事を言える立場ではないけど、
自分の事だけじゃなく人の事も大切に思えるように、
計画的に生活する事ができるように、
そんな風になるには、もっと経験を積む必要があるんだろうなあ。
そして社会も彼らに無関心ではいけないんです。

カンヌ国際映画祭パルムドール大賞受賞
  • [No Tag]

*Comment

NoTitle 

これ、結構衝撃的でした〜
ラスト、あれからどうなるんでしょうねぇ☆
改心して欲しいけど、なかなかそこまで辿り着かないような・・・。
ではTBお願いします♪(なぜかドラッグしにくいわ〜)

「息子のまなざし」はまだ観てないのでネタバレ部分読まないようにしなくちゃ〜
  • posted by わさぴょん 
  • URL 
  • 2007.10/11 18:03分 
  • [Edit]

わさぴょんさんへ 

あのラストは、『自分はバカだった』って思ってるんでしょうかね?
女の子のほうも大きな愛で包んでるのかなあ〜
そんな風に、ちゃんと反省してまともな考えをするような二人なのか、
果てしなく疑問ですよね。
でも、失敗を繰り返して学んでいくしかないですけど。

ここのTBURLはドラッグににくいんですよ!すいませんね。
後ろからムリヤリ反転させてくださいね。
「息子のまなざし」はオススメです!
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2007.10/12 17:10分 
  • [Edit]

思ってないと思う 

YANさんこんにちはー
>『自分はバカだった』って思ってるんでしょうかね?
思ってないんじゃないかと思います

理解できないにも程がある若者でしたが・・・
それは私たちが幸せに暮らしてるって証拠なのかなぁ〜
日本でも、まともに育てられなくて、人間として正しいと思われる行動が出来ない人ってニュースなんかでよく見るし
それは何が原因なのか?親なのか??社会なのか??
もしかしたらよ、あと何十年かしたら、良くある光景になったりしてー
怖い怖い・・何とかすべきです人間
  • posted by 雨里 
  • URL 
  • 2007.10/16 17:17分 
  • [Edit]

雨里さんへ 

やっぱりね〜、雨里さんもそう思います?
監督としては、希望ある将来を描きたかったのかもしれないけど、
あの二人の愚かさ加減を見ていると、
あれくらいの出来事で反省するとは思えないですよね〜

ああいう無思慮な子供が出てくる可能性はありますよ。
少子化で子供に手をかけ過ぎるから子供は自分で判断できなくなるし、
逆に自己中心的な親が多くて、子供はほったらかしになるしー・・・
(自分だって素晴らしい親じゃないけど)

親も社会も子供の将来を考えていかないとね〜
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2007.10/17 10:37分 
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。

*Trackback

トラックバックURL
http://yanrock.blog78.fc2.com/tb.php/209-3c0f1a1d

「ある子供」・・・80点

ある子供 販売元:ハピネット・ピクチャーズ発売日:2006/06/23Amaz

『ある子供』

ある子供 レンタル開始日: 2006/06/23? 製作年: 2005年? 製作国: ベルギー/フランス? 収録時間: 91分? 出演者: ジェレミー・レ...

Menu

映画50音順索引

各記事とリンクしています。お気軽にコメントしていただけるとうれしいです。

「あ行」
■I am Sam アイ・アム・サム
■アイ・アム・レジェンド
■アイデンティティ
■アイランド
■アマデウス
■ある子供
■イノセンス
■ウォルター少年と、夏の休日
■海を飛ぶ夢
■ヴィレッジ
■英雄HERO
■エイリアンvs.プレデター
■es[エス]
■X-MEN:ファイナル・ディシジョン
■オペラ座の怪人
■オールド・ボーイ
「か行」
■隠された記憶
■カサノバ
■ガタカ
■かもめ食堂
■カッコーの巣の上で
■キサラギ
■きみに読む物語
■ギルバート・グレイプ
■銀河ヒッチハイク・ガイド
■クラッシュ
■グエムルー漢江の怪物ー
■グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
■グッド・シェパード
■グッバイ、レーニン!
■コラテラル
■コンスタンティン
「さ行」
■サイドウェイ
■サイン
■殺人の追憶
■サンシャイン2057
■THE有頂天ホテル
■ザ・ハリケーン
■シカゴ
■シザーハンズ
■ショコラ
■親切なクムジャさん
■シンデレラマン
■シークレット・ウィンドウ
■シービスケット
■ジャンパー
■主人公は僕だった
■ジョンQ最後の決断
■スイミング・プール
■スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
■スクール・オブ・ロック
■ステイ
■スパイダーマン3
■300<スリーハンドレッド>
■スリーピー・ホロウ
■セルラー
■ソウ
■ソウ2
■ソウ3
■それでもボクはやってない
■ゾディアック
「た行」
■タイムマシン
■ダイ・ハード4.0
■007/カジノ・ロワイヤル
■ターミナル
■ターミネーター2
■ダークナイト
■着信アリ
■チャーリーとチョコレート工場
■ツォツィ
■手紙
■デイ・アフター・トゥモロー
■ディパーテッド
■デジャヴ
■DEATH NOTE デスノート 前編
■DEATH NOTE デスノート the Last name
■電車男
■トゥモロー・ワールド
■トランスフォーマー
■トーク・トゥ・ハー
■ドリームガールズ
「な行」
■ナイロビの蜂
■ナショナル・トレジャー
■ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記
■21グラム
■28日後...
■28週後...
■ニューオーリンズ・トライアル
■ネバーランド
「は行」
■ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ
■ハルク
■半落ち
■ハンニバル・ライジング
■バタフライ・エフェクト
■バットマン・ビギンズ
■バッド・エデュケーション
■バベル
■パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
■パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
■パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
■パフューム ある人殺しの物語
■英雄HERO
■ビヨンドtheシー〜夢みるように歌えば〜
■ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]
■復讐者に憐れみを
■フラガール
■ブラック・スネーク・モーン
■ブラック・ダリア
■ブラッド・ダイヤモンド
■プレステージ
■ブロウ
■ブロークバック・マウンテン
■ヘアスプレー
■ペイチェック 消された記憶
■北京ヴァイオリン
■ホテル・ルワンダ
■ぼくの神さま
■ボーン・アイデンティティ
■ボーン・アルティメイタム
■ボーン・スプレマシー
「ま行」
■マシニスト
■マッチポイント
■マルホランド・ドライブ
■Mr.& Mrs.スミス
■ミスティック・リバー
■M:i:3
■ミリオンダラー・ベイビー
■息子のまなざし
■ムーラン・ルージュ
■メメント
「や行」
■ユージュアル・サスペクツ
■善き人のためのソナタ
「ら行」
■リトル・ダンサー
■猟奇的な彼女
■Ray/レイ
■レッド・ドラゴン
■レディ・イン・ザ・ウォーター
■ロスト・イン・トランスレーション
■ロック・ユー!
■ロード・オブ・ウォー
「わ行」
■笑の大学
■ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

最近の記事

プロフィール

YAN

Author:YAN
生粋の名古屋人

映画はDVD鑑賞がほとんどです
自分の記憶の記録なので
ネタバレ多いです
愛情を込めて感想を
書いているつもり・・・

音楽は70年代ROCKが好みです

2007年9月より映画ブログに変身しました

日記ブログ 別にあります

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム