かもめ食堂
2007-09-20(Thu)

監督:荻上直子
原作:群ようこ
製作:2005年 日本
出演:*小林聡美 *片桐はいり *もたいまさこ *ヤルッコ・ニエミ
ハラゴシラエして歩くのだ
私の周囲でも評判の良かった作品です。
それはうなずけます。
まったりとした時間・空間が居心地が良くて、
とても安らげますもんね。
どうして舞台がフィンランドか?なんてどうでもいいんでしょう。
日本人があまり知らない、日本人の事もあまり知られていない、
何もしがらみのない遠い異国の地であれば良かったのです。
ある意味、これはファンタジーなのですから。
主人公のサチエ(小林聡美)は、異国の地で、
おにぎりを看板メニューにしている「かもめ食堂」の女主人。
全然 お客が入らないんだけど、全くギスギスしていない。
そこへ、何かしら訳ありな二人の日本人女性が絡んできます。
片桐はいりと もたいまさこだよ~!
すっごい強烈な存在感を放っています!
もたいまさこが、お店の外からウィンドウ越しに
中を見ているショットには、
映画の中の人物と同じで「ウワッ」と思わず声が出ました。
この最強トリオだと、すごくおしゃべりしそうなのに、
日本人のイメージなのか、会話は最低限に抑えられてます。
丁寧語で話して、お互いに尊重し合っているのが
よく分かるような、
程よい関係性が良いですね~
(しかし、この三人が日本女性の代表だと、
フィンランド国民に思われてないだろうか。。。不安。。)
訳ありな二人を含め、周りの人間は、
自分はどう生きたらいいか分からなくて、
暗中模索しているんだけど、
サチエだけは、全く芯がブレてないの。
自分のお店に対する信念も一貫しているし、生き方もそう。
一つには「毎日まじめにやっていれば大丈夫」というもの。
お店では、いつも誰かがグラスや皿やテーブルを
丁寧に拭いているシーンが象徴的に出てきます。
もう一つには、おいしいものを食べると和むなどの、
「ささやかな幸せがあればいい」というもの。
肩肘張らないその姿は魅力的で、
自然と人が引き寄せられるようになるんですよ。
特にすごいドラマはありませんが、
ピカピカの調理器具が並ぶ食堂の映像を
観てるだけでも、良い気分になれます。
小林聡美の調理する所作も とても美しい!
ものすごくシンプルな料理なのに、おいしそうに見えてくる。
私なんて、途中でコーヒーを飲みたくなって、
2杯も飲みましたよ~
肩の力がふっと抜けて、
ささやかな事に幸せを感じられる、そんな作品です。
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ジャンル : 映画