おみおくりの作法
2015-09-24(Thu)
味わいの残る良い映画。これ好きです!

STILL LIFE
監督:ウベルト・バゾリーニ
製作:2013年 イギリス・イタリア
上映時間:91分
出演:*エディ・マーサン *ジョアンヌ・フロガット *カレン・ドルーリー *アンドリュー・バカン
人と出会い、死と向き合い、人生は輝きだす。ロンドンの民生係ジョン・メイ(エディ・マーサン)は
孤独死した住民の身辺整理をし葬儀を執り行う仕事をしていた。
ジョンの仕事ぶりは実に丁寧で徹底してるんですよね。故人の写真から親族・友人を捜して葬儀への参列を依頼する。
宗派や好みの音楽を調べ、
ありきたりでないお別れの言葉も考える。
連絡を取っても葬儀に参列しない人ばかり。
誰からも感謝されません・・・(+_+)
見返りを求めず、尊厳を大切に死者に向き合う姿は、
淡々と描かれているけど、何とも言えない感情が湧いてきました。ジョン・メイ自身も孤独に暮らしています。
いつも同じ物を食べ、同じように出勤し、
判で押したような変化のない毎日。
物を置く場所をきっちり決めている所からも
いかに几帳面で実直かよく分かります。
その性格が真面目な仕事ぶりに繋がっているのでしょう。ネタバレあります 未見の方はご注意ください ↓
お互いにいい感じだったよね・・・私まで嬉しかったなあしかし、丁寧過ぎて時間と経費がかかるため、
合理化で解雇を言い渡されてしまう。(- -;)
最後の仕事となったのは、自分が住むアパートの
向かいの部屋の老人ビリー・ストークだった。
向いの窓を眺めると、自分の姿が窓ガラスに映る。
同じ孤独に生きてきた者として重ね合わせたようでしたね。ビリーのかつての仲間や家族を訪ね話を聞くうちに、
厄介者のビリーが多くの人と触れ合って逸話を残し、
実は人から愛されていたと分かってきます。
そんなビリーの人生に感化されたのか、ビリーのマネをしてベルトをくわえたり、
憎たらしい上司の車にオシッコをかけたり。
服装までノーネクタイになって、
ジョンは変化を見せます。
それまで彩のなかった日常が輝き出します。ビリーの娘ケリー(ジョアンヌ・フロガット)と
楽しく話せるようになって良かった~と思ったんだけどね・・・
ここで、とんでもない展開になるとは・・・ショック ( ̄◇ ̄*)
ビリーの方はジョン・メイの尽力のおかげで
多くの人が立ち会う葬儀になったのに、
ジョンの方は皮肉にも、一人の参列者も無い。
もう、どうしてこんな最期にしたの?と思っていたら
多くの人影が集まってきて・・・(;_;)
憎たらしい上司が
「死者の想いなど存在しない」と言っていたけど
そうじゃなかった。
皆、尊厳を守ってみおくってくれたジョンに感謝していた!この映画、ジョンの人生に変化が生まれた展開で、
一見ビリーのように生きる事が素晴らしいと
言っているように見えますね。 だけど、
ジョン・メイのように孤独でも地味でも
誠意を持って人のために働いてきた意義を認めています。
決して彼の孤独な人生が憐れとは言ってないんですよね。
やっぱり人に誠実な生き方は素晴らしい。涙が溢れてきました。
クスッと笑えるようなユーモラスな面もあって
ジョンは味わいのある人でした。
テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画
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コメント
コメレスにも書いたのですが、
誠実な行いは誰かがみてくれていて、死んでからでも感謝される…っていい話に思えますが私はラストが気に食わなくて。
そもそも、死んだジョン・メイの姿があそこになかったのも、どうしてなのか気になります
てっきり感謝し感謝されるような感動的な終わり方なのかと思ったらぶつ切りだったし
そこがヨーロッパ系映画なのかもしれませんが。
ただ…
個人的にこういう職種の仕事は好きですし、
彼の行いは報われてほしいものではありますよね
え?って感じの展開にびっくりしました。
ヨーロッパ系の作品だな~って感じで、まぁ嫌いじゃないかな?
彼の葬儀には誰もいなく寂しかったけど、後任が的確で事務的な仕事をしてるって事でしょう?
彼が労力を使った人々の迎え?に少しだけ涙しました。
話は変わりますが、来年早々に足の手術をします。
ほぼ、歩けなくなりつつあるので決断しました。
良い方向へ向かうように今は祈るばかりです・・・
YANさん、こんにちは!
これ、やっぱり好きな映画だわ・・・。
今年のベストに入って来ると思う。
久しぶりにYANさんの記事を読んだら、色々記憶がよみがえって来た・・・。
>一見ビリーのように生きる事が素晴らしいと言っているように見えますね。 だけど、ジョン・メイのように孤独でも地味でも誠意を持って人のために働いてきた意義を認めています。決して彼の孤独な人生が憐れとは言ってないんですよね。やっぱり人に誠実な生き方は素晴らしい。
うん、うん、そうだよね。
ビリーみたいな人は、映画の主人公とか準主人公として、よく登場するけれど、ジョン・メイみたいな人は、割と隅っこにおいやられがちというか、地味な人というくくりに入るから、ドラマチックな人生ってわけじゃないからね・・・。でも、日本人の男性は、ジョン・メイ型の人が結構多い気がするのよね。
私は、ジョン・メイに肩入れして見てしまったし、ああいう人好きだし、だからこそ、最後は報われて欲しかったし、幸せなハッピーエンドを望んで見ていたの。
でも、予想外に、悲しいというか、えーーー!?っていう展開で、そんなの無いよーって凄く悲しくなったその後に、アレ・・・だったから、私の心の中で、ジェットコースターが、一気に落下からの、また浮上・・ 感情の動きが激しい映画でした(^^ゞ
こんにちは!
あら?ラストで感動が押し寄せる感じじゃなかった?(^^;
葬儀のシーンなので、ジョン・メイはお墓の棺で眠ってるんですよね。
多くの人影は、ジョン・メイがそれまでやってきたように、
友人として葬儀に参列して死を悼んでいるんだと思いますが。
ジョン・メイが霊となって彼らと握手するようなシーンは別になくても、
感謝と哀悼の気持ちが伝わる終わり方に見えましたよ。
そうそう、ハリウッド映画だったら、こういうラストにはしないでしょうね~
この職業は陽の当らない地味な仕事だけど誰かがやらないとね。
ジョン・メイは天職のように心を込めてやっていたと思いました。
こんにちは!
最後の方の展開は本当に唐突でしたよね。私もビックリ!
後任は合理化のみのあまりにも形式的で雑な仕事ぶりでしたね~
物を扱ってるんじゃなくて、死んだとは言え人間相手なのに。
そうか、死者だから「おみおくり」じゃなくて「お迎え」になりますね。
おお、足の手術が決定しましたか!
手術と聞くとやっぱり怖さが先に立ってしまうけど、
今は医学も進歩して治療法もしっかりレベルアップしてるから、
きっと良い方向へ向かうと思います!(^_^)d
痛みもなく自由に歩くのは私にとっても夢。
夢眠さんには確実なチャンスがある。夢を叶えて下さいね!!
私も祈ってます!!
こんにちは!
今年は少数しか観てないけど、私もこれベストに入れると思うな~
ビリーのような破天荒だけど愛される男って、
魅力と言えば魅力で、人を惹きつけるタイプよね。
一方ジョン・メイのほうは単調で彩の無い人生で・・・
だから彼もビリーの人生に憧れたのかも。
だからと言って、ジョン・メイの人生がつまらなくて憐れって感じに
描いてないと思ったのよね。
確かに、現実でハッピーエンドを見たかったわ~!
ちょうど彼の人生に変化が起きて、これから輝くかもしれないって、
そんな矢先にあの展開を持ってくるなんてね・・・えーーー!?だった。
でも最後まで観たら、ビリーの葬儀のようにジョンのほうにも
たくさんの人が集まってきて、
「うん、うん・・・」で涙だったね(;_;) 余韻・・・
原題の「STIL LIFE」の意味は「静物画」ですってね。邦題のほうが情感があって良いと思いました。
死者の扱いは生者に対するのと同じように尊厳を持つ事が作法ですよね。葬儀は残された者のためでもあるし死者のためでもあるんだとしみじみ感じました。
こんにちは(^O^)10月ですね!
もうコタツ入ってま~す
見ましたね
今年の私のベスト1映画ほぼ決まりです☆☆☆☆☆
おくりびとを思い出すラストで涙が溢れます(;_;)
ビリーの娘と恋人になりそうだったのに…まさかの展開に驚きウソでしょう!?
あんなラストが待ってたなんて(;∇;)/~~やられちゃいました~ぁ
エディは戦火の馬でも素敵な役柄ですよ
こんにちは!
そうですか「静物画」ね・・・
主人公の止まったような日常生活を表わしているのかな。
確かにあまりに味気無いから邦題でないと観ようと思えないよね(^▽^;)
マミィさんに同感で、死者の尊厳を大切にしておみおくりをしないとね。
昔は、参列者が遺族の会社関係ばかりのハデなお葬式を見て
これは遺族の見栄だと思った事もあったけど(^^;、
故人がどうしたら喜んでくれるか考えるべきですよね。
こんにちは!
コタツをもう出したの~?さすが長野だ、はや~い!
森子さんの今年の1位なのね。良い映画だったよね~☆
もっくんもジョン・メイも、誠実に故人や遺族と向きあってたね。
あの展開は唐突過ぎて本当にビックリだった。
せめてビリーの娘と幸せな時間をいくらか過ごして欲しかったよね!
でも、ラストではみおくった人達に見守られて、感動でした。
「戦火の馬」は観たけど、エディが出てたのは知らなかったわ。
YANさん、おはようございます。
昨夜観て、まだ感想も書いていませんが、これ、とっても良かったですね。
ジョンの性格が現れたあの仕事場、家。
机の上やファイルも、気持ちいいほど几帳面でしたね。仕事ぶりのコツコツ地道で真面目なこと。
STILL LIFEって静物画のことだそうなんですけど、まさに彼の表情や、立ち姿もそういうイメージでした。
でも、そんな彼が最後のお仕事、ビリーの人生を追っていくごとに少しづつ変わっていく、初めて食べたパイ、ココア、おそるおそるのそのしぐさにクスっと笑ってしまったわ。
明るい色のセーターを着た彼、素敵でしたね。
だから、あんなことになるとは・・・ビックリでしたよ。
なんで、なんで~~と思ってしまったけど、あのラストシーンに涙が溢れました。
あんなにも多くの人に見送られた・・・・、地味なようだった彼の人生の隠された豊かさに胸が熱くなりました。
こんにちは!
この作品は瞳さんも好みでしたか!同じで嬉しいわ~♪
観たばかりと言う事で、いろいろ心に残っているでしょうね。
ジョン・メイの几帳面さは究極でしたね(≧ε≦)
書類の向きも場所もいつも同じに揃えちゃって徹底してました。
公務員向きの性格ですよね。
そうですね、ジョンの表情、姿、日常、全てが静物画でしたね~
それが、少しずつ変化していく見せ方も上手かったですよね!
ココアを飲んでいて電車に乗り遅れちゃったりいろいろあったけど、
この俳優さん、なかなかコミカルな味を持っていて
無表情な中の微妙な動きに、笑いながら引き込まれました。
ほんとにね~あれはビックリ以外無いですよね。
あそこで突き落とされた後での感動的なラストシーン、
この展開も見事でしたね。
>隠された豊かさ・・・・ああ~それがあったと思いたいですよね!
コツコツと積み上げてきたものが確実にありましたよね。
YANさん、こんばんは~。
とってもいい映画でした。
ジョンの真面目な仕事ぶりをユーモラスに描いていましたね。
彼の誠実な人柄が伝わってきて、
幸せになって欲しいって心から思ってたのに・・・(>_<)
でもラストはとっても感動的でしたね。
ドーっと涙が(T_T)
ビリーの葬儀に友人たちが集まっていたのも嬉しかったです。
出会えてよかった映画の1本になりました^^
私も今年のベスト入り確実です(なんか偉そう笑)
エディ・マーサンの出演作見てみたら、
観た映画の中で憶えてないのもある(>_<)
気になってきました(笑)
こんにちは!
本作、出会えて良かった1本でしたね!
ジョンの真面目さからくる淡々とした暮らしぶりを見ているうちに、
妙にこの人に引き込まれていくの。
現実で幸せを掴んで欲しかったですよね~
でも決して可哀想な人じゃなかった。
多くの人がジョンに感謝して死を悼んでましたね・・・
ほんと、涙がドーッでした (T_T)
ポルカさんからお話を聞いて私もなんだか
他の出演作が気になってきましたよ(^_^)
このエディさんはとても演技派、個性派の様子なので。
【概略】
ひとりきりで亡くなった人を弔うロンドン市の民生係、ジョン・メイ。彼は人員整理で解雇の憂き目に遭い、最後の案件にこれまで以上の熱意で取り組む。
ドラマ
人と出会い、死と向き合い、人生は輝きだす。
孤独死した人を弔う民生係の主人公。まあそうか、誰かがやらなければならないもんね、区などにもそういう係がいるのかもしれないなあとまず思った。しかしこの主人公ジョン・メイは...
「泣ける映画!」とかって宣伝しなかったことに感謝。4つ★半
中国語タイトルが面白い。
ウベルト・パゾリーニ監督
エディ・マーサン
ジョアンヌ・フロガット
ロンドンの南部、ケニントン地区の民政係ジョン・メイ(エディ・マーサン)の仕事は、ひとりで亡くなった人の葬儀を執り行うことだった。ある日ジョンの真向かいのアパートでビル・ストークという年配の男性が亡くなった。ジョンは解雇されることになり、ビル・ストークの案件が最後の仕事になる。
今年も素晴ら...