小さいおうち
2015-07-01(Wed)
後を引く味わいの良作!
女優達の熱演も良い!

監督:山田洋次
製作:2013年 日本
原作:中島京子「小さいおうち」
上映時間:136分
出演:*松たか子 *黒木華 *片岡孝太郎 *吉岡秀隆 *妻夫木聡 *賠償千恵子 *橋爪功 *室井滋 *中嶋朋子
あの小さな家に閉じ込めた、私の秘密
昭和初期から終戦までの時代を背景に、
高台にあるお洒落な赤い屋根の家で起きた恋愛ドラマと、
後に明らかになる生涯の秘密を綴った物語。
東北から東京へ女中奉公に出てきたタキ(黒木華)は、
会社常務の平井雅樹(片岡孝太郎)と、
若くて美しい奥様、時子(松たか子)と
坊ちゃんの3人家族の元で、平穏な日々を送っていた。
主人の部下の板倉正治(吉岡秀隆)が平井家に
出入りするようになり、時子は次第に彼に惹かれてゆく。
松たか子が、「みんな時子さんを好きになっちゃう」と
言われるのも納得の、美しく気性が真っ直ぐで
品も華もある奥様として際立ってました!
時子がだんだん熱を帯びていく様子、
特に帯をキリッと締める時の鬼気迫る表情には
ドキッとさせられるものがあった~!(゚o゚)
それとは対照的に、素朴で控え目な演技の
黒木華も良かったです。
タキが時子の足をマッサージするシーンは、
妙な色香に溢れてたな~
ネタバレあります ↓

吉岡秀隆は全く色気なし。だから夫が油断したんだね。
時子の友人、睦子(中嶋朋子)が
「好きなっちゃいけない人を好きになってる。」
「苦しいわね、あなたも。わたしよーく分かる。」と
図星を突いたように言うんだけど、
タキは時子の事が大好きだったんでしょうね。
そして時子の家族と小さなおうちも大好きで、
人生の中でそこで過ごした時期が一番幸せだったんだと思う。
板倉宛に書いた時子の手紙を渡さなかったのは、
平和な家庭を守りたかったからか、
時子への思いからなのか・・・
晩年のタキがあんなに泣いていたのを考えると、
後者のような気がします。
好きになってはいけない人を好きになった罪悪感、
嘘をついて2人を会わせなかった罪悪感で
自分を罰するように、生涯独身を通したタキ。
苦しみながら生きた時間は長かったんですよね。
とっても切ない余韻が残りました。
タキの自叙伝を読んだ大学生健史(妻夫木聡)が何度も
「そんなわけないだろう」と言ったように、
この映画が描く時代背景は一般認識と違っていて驚きました。
世の中は戦争へと進みつつあると言うのに、
まるでイケイケムードであるかのような報道で、
国民は本当の事を知らされずに、
ゆったり呑気に暮らしていたんですね。
そして不本意な選択を強いられていた時代、
幸せの象徴・小さなおうちが崩壊した時代という事で、
反戦のメッセージも感じられました。
女優達の熱演も良い!

監督:山田洋次
製作:2013年 日本
原作:中島京子「小さいおうち」
上映時間:136分
出演:*松たか子 *黒木華 *片岡孝太郎 *吉岡秀隆 *妻夫木聡 *賠償千恵子 *橋爪功 *室井滋 *中嶋朋子
あの小さな家に閉じ込めた、私の秘密
昭和初期から終戦までの時代を背景に、
高台にあるお洒落な赤い屋根の家で起きた恋愛ドラマと、
後に明らかになる生涯の秘密を綴った物語。
東北から東京へ女中奉公に出てきたタキ(黒木華)は、
会社常務の平井雅樹(片岡孝太郎)と、
若くて美しい奥様、時子(松たか子)と
坊ちゃんの3人家族の元で、平穏な日々を送っていた。
主人の部下の板倉正治(吉岡秀隆)が平井家に
出入りするようになり、時子は次第に彼に惹かれてゆく。
松たか子が、「みんな時子さんを好きになっちゃう」と
言われるのも納得の、美しく気性が真っ直ぐで
品も華もある奥様として際立ってました!
時子がだんだん熱を帯びていく様子、
特に帯をキリッと締める時の鬼気迫る表情には
ドキッとさせられるものがあった~!(゚o゚)
それとは対照的に、素朴で控え目な演技の
黒木華も良かったです。
タキが時子の足をマッサージするシーンは、
妙な色香に溢れてたな~
ネタバレあります ↓

吉岡秀隆は全く色気なし。だから夫が油断したんだね。
時子の友人、睦子(中嶋朋子)が
「好きなっちゃいけない人を好きになってる。」
「苦しいわね、あなたも。わたしよーく分かる。」と
図星を突いたように言うんだけど、
タキは時子の事が大好きだったんでしょうね。
そして時子の家族と小さなおうちも大好きで、
人生の中でそこで過ごした時期が一番幸せだったんだと思う。
板倉宛に書いた時子の手紙を渡さなかったのは、
平和な家庭を守りたかったからか、
時子への思いからなのか・・・
晩年のタキがあんなに泣いていたのを考えると、
後者のような気がします。
好きになってはいけない人を好きになった罪悪感、
嘘をついて2人を会わせなかった罪悪感で
自分を罰するように、生涯独身を通したタキ。
苦しみながら生きた時間は長かったんですよね。
とっても切ない余韻が残りました。
タキの自叙伝を読んだ大学生健史(妻夫木聡)が何度も
「そんなわけないだろう」と言ったように、
この映画が描く時代背景は一般認識と違っていて驚きました。
世の中は戦争へと進みつつあると言うのに、
まるでイケイケムードであるかのような報道で、
国民は本当の事を知らされずに、
ゆったり呑気に暮らしていたんですね。
そして不本意な選択を強いられていた時代、
幸せの象徴・小さなおうちが崩壊した時代という事で、
反戦のメッセージも感じられました。