2008-04-28(Mon)

監督:パク・チャヌク
製作:2003年韓国
出演:*チェ・ミンシク *ユ・ジテ *カン・イジョン
お前は誰だ!? なぜ俺を15年監禁した!?
韓国映画の当時の勢いを強く感じさせる作品ですねえ。
この圧倒的なパワーは何なの!
日本のコミックが原作だとか。
なんで日本で撮らなかったかなあ。ムリか・・・(- -;)
オ・デス(チェ・ミンシク)は突然、
狭い部屋での監禁生活を強いられます。
誰が、何のために、こんな事を仕組んだのか?
オ・デスと同じように、私の頭もずっと、
その疑問で埋められていました。
そして15年間も、15年間もですよ!監禁され続け、
ある日、突然解放されます。
オ・デスは復讐を心に誓って、
自分をこんな目に合わせた犯人捜しをします。
その途中でミドと言う若い女性と知り合い、
手を借りながら犯人の正体を探っていくのですが、
いつしかミドとの間には愛が芽生えていくのでした。
最初のほうは、コミック原作らしく、
バイオレンスもコミカルに展開してるんです。
金槌1本で、たくさんの男を相手に大立ち回り。
迫力あります!
歯を抜き取るシーンも、イテテ (>_<。) と言いながら、
何とか観られました。
だけど、とうとう犯人にたどり着いたあたりから、
重い話になっていくんですね~
この先ネタバレあり
オ・デスを陥れた犯人は、高校の後輩ウジン(ユ・ジテ)でした。
監禁の理由にも驚かされます。
オ・デス自身は全く忘れていたくらいの、些細な事なんですよ。
ウジンの秘密をたまたま見てしまったオ・デスが
人にそれを話した事。
でも、当事者であるウジンはしっかり覚えている。
ここでは、「人は、自分が気付かないところで、
他人を傷付けている事もある」
という教訓を提示するんですが・・・それだけでは終わらなかった!
驚くべきは「なぜ監禁したか?」じゃなくて「なぜ解放したか?」に
犯人の狙いがあったところ! ここから先がもっと恐ろしい。
オ・デスが復讐に走る事自体が、ウジンの復讐になるとは・・・
犯人にたどり着いてからも、さらに衝撃が続くという、
2段オチみたいな展開には、息を呑みました。
ウジンはずっと姉の姿だけを心に抱いて生きてきたんでしょう。
「俺達は全てを知って愛し合った」と
自分達の愛を美化するセリフを言ってるけど、
オ・デスはそれを汚したわけでもないし、
逆恨みもいいとこだと思うんですよね。
それなのに、15年間もかけて復讐してきたウジンの執念深さ、
ネチネチとした執拗さには鳥肌が立ちましたよ。
それだけ苦悩も同様に深かったという事でしょう。
ウジンは、オ・デスに同じ苦しみを味わわせようと
おぞましい罠を仕組んだ。
それは、愛する事自体が世間的に罪になるという苦しみ。
愛し合ったら、まともに生きていけないという苦しみ。
どんなに身を引き裂かれる思いなのか、ウジンは味わわせたかった。
驚愕の真実を知らされたオ・デスは、
必死に許しを請う行動をとります。
自分の舌を切ってまで(このシーンは見れなかった・・)
守りたかったのは、やっぱり娘でしょう。
そこで父親になってたんじゃないかなあ。
ラストで、二者択一を迫られて、曖昧な終わり方になってますよね。
ここの、窓ガラスに映るオ・デスと
魂が抜けたように歩いていくオ・デスが、
二人出てくるシーン、とってもいい構図。
私は、オ・デスは記憶を消す事はせずに、苦しみを背負いながら
娘を守って2人で生きていくと思うんですが。
モンスターじゃなく、守る立場として。(これは私の願望)
最後のオ・デスの表情が、事実から逃げたような顔ではなかった。
でもそれだと、二人一緒に生きていくには、
なぜ愛し合わないのか説明をしなくちゃいけなくなって、
真実を相手に打ち明けざるを得なくなるから、酷かな。
いろいろ考えてしまう終わり方ですね。
「私は獣にも劣る人間ですが、
生きる権利はあるんじゃありませんか?」
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「親切なクムジャさん」
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