Rocking Chair Blog

旧作を中心とした映画のブログです たまに音楽の話題もあります

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スイミング・プール

スイミング・プール
監督:フランソワ・オゾン      
製作:2003年フランス・イギリス
出演:*シャーロット・ランプリング *リュディヴィーヌ・サニエ

見る女 見られる女

この女優の名前、何とかならんの〜 リュディヴィーヌ・サニエ
タイプしにくいし、舌を噛みそうだし、絶対に覚えられない〜
でも、この眩しさ、大胆さ、すっごいです!! 姿だけは覚えましたとも!

まず、怪し気な音楽が良くて、グッと引き込まれるんですよね。
この音楽、ちょっとクセになります。
それから、ラストのオチには、ええっ〜〜と仰天しました。
単なるミステリーじゃなかった。

「マルホランド・ドライブ」や「ドニー・ダーコ」を観た時のあの感覚です。
そう!私の好きなドンデン返し!騙されてうれしいと言うか・・・
だって、あれこれ考えて、しばらく余韻に浸れるんですから。

女優二人が実に見事! 対照的な役を演じています。
サラ(シャーロット・ランプリング)は中年を過ぎ、
ミステリー作家という名声と富を手にしたのですが、
独身で家庭の愛に飢えた寂しい女性です。

ジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)は、出版社長ジョンの娘で、
若くて輝くような美しさを持ち、自由奔放。
男性関係もハデ。ただし、めちゃ男の趣味が悪いですが・・・
(サラは、昔ジョンと愛人関係にあったらしい)

この二人、女優魂で、何とも思い切ったヌードを披露してるんです。
そりゃ、年齢的にいっても、サニエは、はじけんばかりに輝いているし、
シャーロットは50歳代だから、おばさんが見劣りするのは当たり前。
でも後半になってシャーロットの『負けてないぞ』という根性を感じるんです〜
すごい火花が飛び散ってます。バチバチ☆・:.,;*


プール付きの別荘で短期間、一緒に過ごす事になった二人。
サラは、自由奔放に振舞うジュリーを疎ましく思いながらも、興味津々。
そこに殺人事件が・・・

真っ青な水だったプールに黒いビニールカバーの薄気味悪いこと〜〜
しかし、これらの全てが、最後の最後のオチでドンデン返しとは!


ここから先は、ネタバレでしか書けないので、悪しからず。
この作品の解釈は人それぞれあっていいと、DVD特典でオゾン監督が
話していたので、これだという決まったものはないようです。

以下ドラッグして下さい。

これは、あくまで私の解釈です。
別荘に着いてからのサラの執筆活動は、結果的に
自分自身と向き合って、
新しく生まれ変わる作業
だったんじゃないでしょうか。

噂にだけ聞いていたジョンの娘の人格を想像で作り上げました。
それは、他ならぬサラの欲望の投影です。
自分にはないもの、自分が今まで抑制してきたものを、
ジュリーとして創造し、サラは自分自身とジュリーの間を揺れながら、
葛藤して、少しずつ殻を脱ぎ捨てていったんです。

殺人事件は、ミステリー作家ですから、小説内の題材でしょう。
本当に起きた事件じゃないと思います。

小説には、ジョンに対する愛や、母への思いも絡めました。
それを書き終え、サラは晴れやかに生まれ変わり、
ジョンとは決別して自立していく決心をします。


ただ、最後に、本物のジョンの娘ジュリアを見かけた時に、一瞬、心が揺らぎます。
『私が彼女の母親だったら・・・』
赤い服を着て自分はテラスに立ち、あの娘が手を振ってくれているーー
そんなシーンを想像してしまうんですね。
ちょっと残っている未練(女心)のように思えました。


ヌードばかりが話題になりそうですが、いやらしさはなく、
主人公の細やかな心理が描けている面白い作品だと思います。

ツォツィ

ツォツィ

監督:ギャヴィン・フッド
製作:2005年 南アフリカ/イギリス
出演:*プレスリー・チェニヤハエ *テリー・フェト *ケネス・ンコースィ

銃を持つその手で、小さな命を拾った。

REMEMBER AFRICA!

また今年もアフリカを舞台とした、いい作品を観る事ができました。
主人公が 失っていた人間性を取り戻すという
シンプルなドラマですが、何と言っても俳優の目が良かった!

今作は、南アフリカのヨハネスブルグでの物語です。
地下鉄の走るビル街もあれば、みすぼらしいスラム街もあります。
主人公は、ツォツィ(不良)と呼ばれている、
ギャング仲間のリーダー的存在で、
スラム街のあばら屋で暮らしています。

やる事と言ったら、人からお金をまき上げる事。窃盗・傷害です。
貧しくて親はそばにいないし、教育も受けてないから、
暴力しか自分を守るものを知らないんですよね・・・

銃で人を撃ったりして、かなり酷い犯罪を犯してるから、
ヘタにかばう事はできないけど、
社会事情のせいで、荒んだ生活をしているとも言えます。

「ある子供」という映画を思い出しましたよ。
思慮に欠ける生活をしている少年少女を描いていて、
もっと社会が子供達に関心を持っていたら、
もう少しまともに生きられただろうにと思った作品です。

共通項として、両作品に赤ん坊が出てきます。
「ある子供」のブリュノは、赤ん坊に対して、
何の感情も抱かなかったところが、
今時らしいと言うのか、理解しがたい反応でした。

ツォツィは、それに比べると、もっと本能的で、
シンプルな思考回路をしています。
身を守るには暴力。人には弱みを見せない。
赤ん坊という小さくて弱い者が泣いていたら、助けようとする。
人間が本来持つ本能のままという部分に、まだ救いがあったと思います。

ツォツィは子供の頃、家庭の酷い状況から
家を夢中で飛び出し、土管をねぐらにして生きてきました。
驚くべき事に、南アフリカでは、そのような土管暮らしの
子供たちが大勢いるんです!ツォツイ予備軍がね!
胸が苦しくなるような光景ですよ。

一方で、草むらを隔てたところには、
裕福な者の近代的設備の整った邸宅が並んでます。
ひどい格差社会なんですね。。。

人に頼らず、ひたすら社会を睨みつけて生きてきたツォツィ。
でも、赤ん坊という無垢で無防備な者が全身で自分を
必要としてきた時、自然と眼差しが緩みました。
目の表情の変化が実に見事でした〜

近所の女性ミリアムが授乳する姿に、
母親の愛を思い出し追い求めるとは、
ツォツィ自身いくら突っ張っていても、まだ少年なんですね。
大きな母性に触れて、人間としての良心に徐々に目覚めていきます。

ツォツイは、身障者に「犬みたいになってもなぜ生き続ける」と
問いかけ、生きる意味をみつけようとするんですね。
そういう事を考え出して 初めて、
人間としての品位が持てるようになるんじゃないでしょうか。

暴力のほとんどは、突発的で衝動的なものだと言います。
それが取り返しのつかない事態を招く事も多いけど。
ツォツィがやっと最後になって
人間性と品位を取り戻したのを見たら、
もう一度だけ、チャンスを与えてやってほしいと、
思ったりもしました。主人公だからかな。

音楽が、リズムのしっかりしたHIPHOPでカッコよかったです。

#2005年アカデミー賞外国語映画賞受賞

着信アリ

着信アリ


監督:三池崇史
製作:2004年 日本
原作:秋元康
出演:*柴咲コウ *堤真一 *吹石一恵

来る。
三日後の自分からの発信。
残されたメッセージは死の予告。
あなたの携帯にも「死」が届く。


「ワン・ミス・コール」の宣伝がテレビで流れ始めました。
その映像がなかなか恐そうじゃないですか〜
ひょっとして、いいシーン全部見せちゃってないでしょうね。
本編を見たら、宣伝以上のものがなかったという事が時々あります。

日本版ホラーをハリウッド・リメイクして面白かった作品って、
私にとっては今までにあまりないけど、今回どうなんでしょう。
(「ダーク・ウォーター」はラストが邦版より良かった)

日本の幽霊って、強い怨念を持ってる(イメージ)から、
そばに立っているだけで悪寒が走って恐いんですよね。
でも、外国の霊は、恐ろしい形相で襲って来て、初めて恐い。
そんな感覚の違いが、ちょっとした壁になっているような気がします。

「リング」でも、貞子は陰湿で絡みついてくるような幽霊だけど、
サマラは悪い力を持った悪魔、ゾンビ扱いでしたよね。
怨念があんねんかどうねん?(韻を踏んでみた)
この違いは日本人にとって大きいのでは?

前置きが長くなったけど、
「ワン・ミス・コール」の基となった「着信アリ」
「リング」や「呪怨」の流れを受け継いだ内容でした。
怨念の力が、人の心理内にある恐怖をさらに増幅させていきます。

携帯電話という現代的で身近な道具を使うという発想がいいです
韓国ホラー「ボイス」で先に使われてしまったけど、
あれは、子供の白目が恐かっただけに思えました。

自分の携帯に、未来の自分から断末魔の声が届く!
その声を聞いた者は必ず死を遂げる。
この着信メロディーは耳から離れません
廃墟となった病棟が出てくるなど、ホラーの定番満載です。

でも、このストーリーの一番の軸である「強い怨念」に
納得がいきませんでした。
人を何人も殺すほどの強いものかな?と。

ネタバレのため、注意
以下、反転してください


美々子(姉)は菜々子(妹)を虐待していた側の人間で、
その事で、喘息の発作が起きた時に母に見捨てられたんです。
つまり、恨みを持つなら母親一人に対してのはず。
貞子の場合は、社会に対する恨みだったけどね。
美々子の恨みは、この世に強烈な復讐の呪いを
残すほどではないんですよね。
軸に説得力がなかったです。

ラストシーンは曖昧で、よく意味が分かりませんでした。
由美(柴咲コウ)は、自分が携帯で聞いた断末魔の声を発したから、
きっと美々子に殺されて、身体を乗っ取られたんでしょうね。
それで山下(堤真一)を刺した。

病室で刃物を持って、アメ玉を口に入れたのは・・・
菜々子を傷付けていたように、山下にも同じ事をするのか?
ラストだけ、妙に明るい笑顔のシーンで、謎が残りました。

スクール・オブ・ロック

スクール・オブ・ロック

監督:リチャード・リンクレイター
製作:2003年アメリカ
出演:*ジャック・ブラック *ケウィン・クラーク *ロバート・ツァイ

バンド仲間からクビにされて、家賃も払えない
デューイ(ジャック・ブラック)は、
友人になりすまして、エリート小学校の代用教員になります。

そこでも、ロックバンドの事が頭から離れなくて、
音楽の才能のある小学生達を見たデューイは、
小学生のバンドを作ろうと企みます。

どの子もみんな素直で、デューイを疑う事もなく、
言われたままにバンド活動を進めていくのは、
それまで管理教育で従順さを植えつけられてきたのと
なんと言っても、ロックのノリに魅力があったからだと思うんですよ。

ジャック・ブラックが面白〜い!!
どう見てもクレイジーなメタボ。笑った笑った!
あの体型で、リズミカルな、いや落ち着きの無い動きがよくできるもんだ。

とにかく、ジャック自身が心からロックを楽しんでいるのがよ〜く分かります。
あれは演技と言うより、素でやってるんじゃないかなあ
ほとんどアドリブのように思える。

L・ツェッペリン「移民の歌」の♪アアア〜〜ア!♪の最後の ♪ア!♪
あそこは、完全に目がいっちゃってます。

あのぶっ飛びは最高!

「ロックは大物(the Man)に対して反抗する魂」と教えるシーンには、
ちょっとセリフがベタ過ぎるような、
今はそんな反骨精神なんてあまり関係ない気がするけど、
まあ、そんな理屈は子供達には関係ありません。

子供達の晴れのステージを見たら、もう満足です。
全員が力を合わせてすごく楽しいステージをやってるんだもん。
このシーンは、私もノリノリで、ホントに楽しかった〜!

デューイは、一人一人の良さを引き出して誉めるのが上手。
画一的だった生徒達に、だんだん個性が出てきました。
ここは、私も母親としても見習うべきものが・・・

みんなが魅力的に輝くラストは、盛り上がって、文句なしでGood★
笑って、楽しんで、気分がスカーッとする映画です。

イノセンス

イノセンス

監督:押井守
製作:2004年 日本

イノセンス、それは、いのち。

「マトリックス」「スピードレーサー」を撮ったウォシャウスキー兄弟にも
影響を与えたと言われている押井守。
「攻殻機動隊2.0」「スカイ・クロラ」公開に合わせて観てみました。

これを観た人、きっと、あんまりいないよね・・・

これは、攻殻機動隊というアニメの続編に当たるらしいです。
私は、全くアニメの事は知らないので、
予備知識編が最初に編集されていて、助かりました。
これがなかったら、さっぱり分からなかったところです。

近未来の日本、人間とサイボーグ(機械化人間)とロボット(人形・機械)
共存している社会です。
ある日、ロボットが所有者を殺す事件が起き、
公安9課のバトー刑事が捜査する事になります。
バトー刑事はハッカーに妨害されながらも、
事件の真相に近付いていきます。

バトー刑事も、電脳や義体が組み込まれたサイボーグ化された人間です。
(サイボーグでも男型はアンドロイド、女型はガイノイドと言うんですね)

機械と人間の違いは、
ゴースト(人間としての精神=アイデンティティ)があるかないかという事。

この作品は、このあたりをテーマにしているんだと思います。

電脳がネットワークと繋がり、あらゆる情報に溢れると、
自分の記憶や考えは、自分のものなのかどうかさえ、曖昧ですよね
もはや人間としての精神は存在するのだろうか。

バトーの記憶に残っているという謎の人物 素子は、
機械化された自分が、はたして人間と言えるのかどうかと悩み、
姿を消しているんですね。

素子を思うバトー自身も、人間とサイボーグの違いに葛藤し、
アイデンティティの不安定さに強い孤独を抱いています。
これが、ちょっと心に沁みる・・・

この映画での後半で分かるのは、
どうやら素子は肉体という実態を捨てて、
ネットワーク上に生命体として生き続けているようだ・・・・
〜ようだと言うのは、実は途中で寝てしまって記憶がない・・ハハ(;^_^;

やっぱり、噂の通り、難解な作品でした。
登場人物がやたら長いセリフを言う。
しかも、哲学的な言い回しを多用するんで、
情報としてなかなか消化できませんでした〜
何も、そこまでややこしいセリフにせんでもいいんじゃないの??

ただ、映像は素晴らしかったです。
CGもアニメ部分も、実写では絶対に作り出せない絵です。
音楽に関しても、無国籍風で面白かった。

ただ、途中で寝た所を、もう一度確認しようという気がしませんでした(^_^;

28週後...

28週後

監督:ファン・カルロス・フレスナディージョ
製作総指揮:ダニー・ボイル/アレックス・ガーランド
出演:*ロバート・カーライル *ローズ・バーン *ジェレミー・レナー

ネタバレあります

一匹の猿からレイジ・ウィルスが蔓延し、
英国本土が壊滅状態になったのが前作「28日後」

5週後には感染者が飢餓で死滅し、
11週後には米国主導でNATO軍がロンドンに配備される。
感染の恐れが無くなり、復興が始まった「28週後」
だけど、またウィルスの脅威が・・・

前作でも感染者って、こんなに動きが速かったっけ?
大勢で普通の人間を襲ってくる様はすごい!
常に全力疾走!!
口から血を吐く形相は、この世のものとは思えないほど、
醜くて恐ろしいです
ずっとこんなのに追いかけられる映画なのだ!

大量の血しぶきが醜悪だった〜ドロッドロでね。
画面はブレが多く、暗い。
感染者の凶暴性を見せる映像としては、
前作よりかなりパワーアップしてますよね。
グロ度もとても高くて衝撃的になってました。

メインは、終末観をいかに強烈に出すかにあったようで
音楽も合っていてそれは成功してるんですが、
私としては、1作目のほうがドラマがあって好きです。
キリアン・マーフイーという主役がいて、
心情的に入り込めました。
今回は特に際立った主役がいないから、
自分があの場にいたら・・という心境になりませんでしたね〜

米国主導のNATO軍の登場はリアルでした。
「コード・レッド」みたいなものも、実際にありそうです。
収拾がつかなくなったら、
感染者でなくても皆殺しにし、地区を焼き尽くす。
世界を守るためという大義名分があれば、
犠牲は仕方ないというアメリカのやり方ですね。

だけど、私も他に何も方法を思いつきません。
仕方ないのかも・・・と思えてきました。
この映画ほど最悪な状況だと、方法を考えている余裕もない。
そんな緊迫感に溢れ、感覚をマヒさせられます。

ある家族が中心となっていて、
互いに思う気持ちがとんでもない事態を招く、というのは皮肉です。
この家族がいろいろなきっかけを作ってるんですよね。
父親があちこちに出没するから、このオヤジ最悪!
何度思った事か。。。( ̄∇ ̄*)ゞ

最初に奥さんを残して駆け出した時は、
ひどく情けなく映ったけど、
ラストに、感染していると知っていながらヘリに乗せる
あの人の行動のほうが、家族愛からきているようでいて、
傍から見るとかなり利己的で、腹が立ちました。

危機的状況って、こんなちょっとした個人の行動で
拡大していくものなんですね。

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Author:YAN
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2007年9月より映画ブログに変身しました

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